安定剤が必要になる入れ歯を見過ごさないで!

  みなさんは入れ歯を使用する中で、安定剤が必要だと感じたことはありませんか?実際に使用したことがなくとも、一昔前にテレビコマーシャルなどで流れていた印象が強く残っている人も多いのではないでしょうか。自身のお口の中にフィットしない入れ歯を安定するために活用されるアイテムですが、本来ならば安定剤を使用する必要がない入れ歯であるべきです。そこで今回は、ご自身の口にフィットさせるにはどのような入れ歯であるべきか、詳しくお話して参ります。  

安定剤が必要になるケースはどんなとき?

入れ歯は虫歯や歯周病などで歯を失った際に、歯の役割を補う補綴物(ほてつぶつ)の1つです。入れ歯を使用して天然歯と同じように食べ物を咬んで食事が問題なく行えることが理想でありますが、下記のような症状がある人の場合、それらをカバーするために入れ歯安定剤が活用されています。  

・入れ歯で噛むと痛い

・入れ歯がすぐに外れそうになる

・入れ歯がずれる

・入れ歯が支障となり発音しづらい

・入れ歯との隙間に食べカスが詰まる

・装着した時に違和感が強い

・歯医者さんに行けるまでの一時しのぎ

  入れ歯安定剤を使用するだけで支障があった入れ歯が安定するのであれば、一見問題ないようにとらわれがちでありますが、入れ歯安定剤を使用することで、二次的な弊害が生じるケースも否定できません。  

安定剤を必要とする入れ歯を使い続けるリスク

入れ歯安定剤を使用するメリットもありますが、デメリットも多くあり、長期間の使用はおすすめできません。  

リスク1:噛み合わせの高さが変動する

入れ歯安定剤を使用することでその分、咬み合わせが高くなり、上下の歯の咬み合わせのバランスが崩れ、咬む力や入れ歯の適合性にも影響を与えます。  

リスク2:あごの骨が吸収される

入れ歯安定剤を使用することで、上下の歯が咬みあう刺激があごの骨に適正に伝わらないため、刺激を受けられないあごの骨は吸収されてしまい「歯肉が痩せた」「入れ歯がガタガタとして合わない」などの症状が現れます。また、長期的に入れ歯安定剤を使用し続けていると、ますます入れ歯が合わなくなってしまう恐れもあります。  

リスク3:残存歯のむし歯・歯周病リスク

特にクリームタイプの安定剤は除去しにくく、残存歯や歯肉に安定剤が付着することで、むし歯や歯周病リスクを高める恐れがあります。  

リスク4:カビの増殖・誤嚥性肺炎のリスク

入れ歯安定剤を使用した上で清掃などを怠ってしまうと細菌が増殖しやすくなり、カビの増殖による口臭や、さらには誤嚥性肺炎が生じる恐れも高まります。  

入れ歯のあるべき姿

本来であれば、入れ歯安定剤を必要としない入れ歯を製作する必要がありますが、お口の中はとても複雑であり、入れ歯の土台となる顎堤(歯が無くなった歯肉部分)の状態、お口周りの筋肉の動きや、あごの可動領域などを精密検査で分析しながら、作製する必要があります。   ぴったりフィットする入れ歯を作製するには、精巧な型取りや技工技術も必要となり、入れ歯作製は単純なものではありません。   また、精巧な入れ歯を作れたとしても、年齢を重ねることであごの骨の骨量や顎堤の状態、筋肉の動きや可動域などは変化していくため、定期的なメンテナンス、必要に応じて新たな入れ歯の作製も選択肢の一つとなります。   そのため入れ歯を使用している過程で、入れ歯安定剤を活用したいと考える患者さまも少なくありませんが、長期的な使用はさらなる二次的トラブルを招きかねず、入れ歯が合わなくなった場合は歯医者さんに相談しましょう。  

入れ歯のいい点・悪い点

入れ歯は歯を失った際に適応される選択肢の1つです。入れ歯を使用することで、食べ物を咬み砕くことができたり、見た目も改善されたりしますが、いい点ばかりではありません。入れ歯を使用する際には、悪い点を知ることも重要です。そこで今回は、入れ歯のいい点・悪い点を1ずつご紹介していきます。  

入れ歯のいい点

ではまず、入れ歯のいい点をご紹介していきます。  

・はずして洗える

入れ歯は取り外しが簡単にできるため、丸洗いが可能です。インプラントやブリッジでは、自身の目でみながら丸洗いすることは困難ではありますが、入れ歯であれば汚れを確認しながら清掃や消毒ができます。  

・治療時間が短い

インプラントに比べると、入れ歯作製までに時間がかからず、短い時間で終えられます。  

・リスクが少ない

ブリッジのように健康な歯を必要以上に削ったり、インプラントように外科治療をおこなったりする必要がないためリスクを最小限に抑えながら、失った歯の機能を回復させられます。  

・ほとんどの症例で対応可能

欠損歯の本数などに限定されず、数多くのケースで適応可能です。インプラントのように、顎の骨の質量などにも影響されません。  

・保険適応となる

自費診療の入れ歯と保険診療の入れ歯から自身にあった入れ歯を選択できます。保険診療の入れ歯の場合は、限られた材料と技術で作製するため、その分費用を抑えられます。  

・どこの医院でも治療・調整可能

専用の設備や技術を必要とするインプラントと異なり、入れ歯であればどこの歯科医院(一般歯科・補綴物を取扱う医院)であっても治療や調整が可能です。  

入れ歯の悪い点

・会話中にはずれる

会話中や大きく口を開けたタイミングで入れ歯が外れてしまうケースもあります。はずれないように歯科医院での調整が必要です。  

・痛みを感じる

お口の中はとてもデリケートであり、入れ歯が歯肉や粘膜に擦れたり、食べ物を咬んだりする時に、痛みを感じるケースもあります。  

・かたい食べ物が咬めない

天然の歯に比べると入れ歯の咬む力は低下し、天然の歯の咬む力が100%である場合、入れ歯の咬む力は30%40%といわれ、かたい食べ物が咬みづらくなります。  

・クラスプが目立つ

部分入れ歯の場合、口元からクラスプが見えてしまう恐れもあり、審美性に劣るケースもあります。  

・顎の骨や歯肉が痩せる

天然歯や顎の骨は、上下の歯が咬みあう刺激を受けて正常な状態を保つことができます。しかし、入れ歯である場合は、正常な刺激を受けることが困難になるため、顎の骨や歯肉が痩せてしまう恐れがあります。  

・定期的なメインテナンスが必要

お口の中の状態は日々変化していくため、半永久的に入れ歯を使い続けることができません。その結果入れ歯の調整や作り替えが定期的に必要になります。  

自費診療の入れ歯

保険診療の入れ歯の場合、限られた材料と技術で作製されるため、機能性や審美性も最低限のもとなります。しかし、自費診療の入れ歯であれば入れ歯の悪い点をカバーすることもできます。  

【自費診療でカバーできること】

・精密性の高い型取りを行うため、保険診療の入れ歯よりフィットする入れ歯を作れる
・人工歯や歯肉の審美性を高められる
・保険診療の入れ歯と異なり、厚みを抑えた入れ歯を作製できるため、お口の入れた際に違和感が少ない
・選択する入れ歯のタイプにもよりますが、かたい食べ物も食べられるようになる

まとめ

今回は入れ歯のいい点、悪い点について詳しくご紹介してまいりました。入れ歯を初めて使用する際には、いい点ばかりに目がいきがちではありますが、悪い点も把握し、納得した上で入れ歯を使用することが大切です。入れ歯についてのご相談、随時受け付けております。お気軽にお声がけください。また、当院では安定剤が不要なインプラントオーバデンチャーなど自費治療の入れ歯も取り揃えていますので、ぜひお気軽お問合わせください。